REPORT-3-3

Report – 3

韓国の若者における整形事情について

Team C : 坂上由莉 吐師瑛美 藤元美奈子

4.日韓比較

今回、日本での事前調査と韓国での現地調査をもとに整形意識について日韓比較を行った。鹿児島大学で男性20人、女性20人に (a)自分(b)他人(c)恋人(d)家族の整形について肯定的であるか否定的であるかのアンケートを行った。その集計結果を男女別に示したのが図10である。

韓国でも同様の質問をしたので、その結果をまとめた図2(韓国)と図10(鹿児島)を比較してみたい。両方を比べてみると、日本と韓国の若者の整形に対する考え方にあまり大きな差はないように思える。日本よりも韓国の方が整形には肯定的であり、日本と韓国はどちらも全体としては男性よりも女性のほうが整形に対して肯定的であることが分かった。
しかし、日韓で異なる部分として恋人の整形への肯定の割合が日本は女性が上回っているのに対し、韓国では男性が上回っていた。韓国の男性からは「女性が整形をするのは仕方ない」「女性の方が見た目を気にするもの」という意見が多かったが、日本の男性は「彼女が整形をしていたらいやだ」「作り物の顔というのに違和感がある」「自然がいい」などの意見が多かった。韓国では男女ともに整形は女性がするものというイメージが根底にあり、日本では男性の方が整形に対してネガティブなイメージを持つ傾向があるのではないかと考察した。
また、事前調査で鹿児島大学の学生男女各20人に聞いた韓国の整形のイメージについて、実際はどうであるのか、韓国で行ったアンケートやデータをもとに解明していく。

・整形後、体への悪影響がありそう。

整形後体に悪影響がでそうという意見は、韓国でのアンケート調査ではあまり見られなかった。そのためあまり施術自体への抵抗感はないように感じた。それよりも先行研究にもあるように「親からもらった顔に傷をつけたくない」などの倫理的な側面から整形に抵抗を持つ人が韓国には多いように感じた。また実際に整形したことのある人に「整形に満足しているか」という質問をしたところ18人中17人が「満足している」と答えた。もちろん短期間に何度も整形を繰り返したり、自分の体にあっていないのに施術をしたりして副作用に苦しめられている事例もあり、メディアでも取り上げられているため整形を危険だと考えている人もいないわけではないが日本人のほうが顕著である。

・違法なものが多そう。

違法なものが多そうというイメージに関してだが、確かに闇医者のような美容外科もいくつかあるのか2015年5月にボッタクリ美容整形や違法な美容整形を防ぐために韓国政府は整形手術の部分ごとの適正価格と公開するなど対策をとっていた。しかし韓国でこのような闇医者の被害にあう人は少なく、被害者のほとんどが整形ツアーなどで韓国を訪れた外国人であるようだ。韓国人に話を聞いたところ、韓国人は口コミなどで有名なところに行くためあまり被害はないそうだ。

・費用がかかりそう。

日本よりも手頃な値段で整形を行うことが出来るかどうかは韓国での現地調査で女性48人中18人が整形経験者であった。費用にいくらかかったかという質問に対して、7人が100 万ウォン以下(約10万円以下)、5人が100万ウォン~150万ウォン(約10万円〜15万円)、5人が150万ウォン~200万ウォン(約15万円〜20万円)、4人が200万ウォン以上(約20万円)という結果になった。また整形した部分としては目が14人、鼻が2人、輪郭が1人、顔以外が1人という結果になった。
では日本での整形費用はどのくらいなのか。日本での整形費用については施術によって金額に幅はあるが一般的な施術料金を比べてみた。

このように全体として韓国の方が安いことが分かる。また、韓国は日本よりも美容整形外科が多くあるため値段には幅があるようだ。また韓国では施術料金にカウンセリングやアフターケアも含まれているが日本では別途料金がかかる所が多いため全体としては韓国の方が安い傾向にある。

5.全体のまとめ

今回日本と韓国での整形に関する調査をしてみて一番の感想は、私たちが思っている以上に韓国で整形がポピュラーなものではないというものだ。整形したくないと思っている人が想像以上に多かったため調査の結果としては日本との違いはあまり顕著には出なかったように思える。しかし韓国では「周りの人が整形したとしても韓国ではあえて触れないのが一般的」と整形に関してのマナーがあるなど、やはり細かい部分ではあるが日本とは整形と社会の関係が少し違うと感じることもあった。また、今回の調査で一番苦労した点は韓国での現地調査の際に、日本で行ったアンケートの質問内容を大きく変えた点である。「整形」という相手のデリケートな部分に触れかねないテーマであったことから韓国の大学生とともにどのようにしたら相手が不愉快に思わずにアンケートに答えてくれるのかを考えて工夫した。その際の韓国の大学生の意見はとても貴重なものであり日本と全く同じアンケートを実施しようとしていた私たちに「それだと誰も答えてくれないと思う」「もっと答えやすいアンケートにしよう」など積極的に意見をだしてくれたおかげで多くのデータを集めることができたがインタビュー等をしてもう少し整形を取り巻く環境なども深く調査できたらより深く比較ができたのではないかと考える。
また、韓国という言語も違う国での調査ということで、日本で同じ調査を行うよりも難航し、なかなか思うように調査が進まなかったり意見がまとまらなかったりすることもあった。韓国の学生との話し合いでも意見が食い違ってしまう部分もあり一筋縄では行かないということを実感した。私たちのグループは特にメンバーの入れ替わりが多く日本での事前調査から韓国での実習にスムーズに移行することが出来なかった部分もあったがそこも含めて実習で得た成果であると考えている。現地でのインタビュー調査を行うことが出来なかったり幅広い調査ができなかったなどの反省点も多いが、韓国語で直接アンケートをお願いしたりまとめるのに苦労したが韓国の学生と協力してアンケート内容を変えたことはテーマをより深めるために必要だったので全体として良い経験になり、自分たちなりに日韓の整形について深めていくことができたと考える。

6.後輩へのアドバイス

今回日本での事前調査と韓国での現地調査を通じて事前調査はやりすぎるくらいやっておいたほうがいいと思った。実際韓国に行ったら想定外のことが多く調査の変更が出てくることも多いため事前調査を日本でちゃんとして現地での変更に臨機応変に対応することができるようにしておいたほうがいい。また、アンケート調査だけでは中々まとめにくい部分も出てくるためインタビュー調査を取り入れたほうがまとめやすく、考察もしやすいと思う。一人一人が他人任せにせず、自らの役割を把握し、正確なデータを収集することが重要である。日本では、しっかりと事前調査を行い、現地では韓国を楽しみながら調査を一生懸命やってほしい。

7.参考文献

谷本奈穂 2008 『美容整形と化粧の社会学』 新曜社 東京都。
川添裕子 2013 『美容整形と<普通のわたし>』 青弓社 東京都。
「高須クリニック」
https://www.takasu.co.jp/price/#nose-biyoku(最終閲覧日 2017年10月26日)
「韓国 id美容外科」
http://jp.idhospital.com/surgery/surgery-price/(最終閲覧日 2017年10月26日)