Report – 3
韓国の若者における整形事情について
Team C : 坂上由莉 吐師瑛美 藤元美奈子
3. 韓国での調査
ここでは、韓国実習における私たちC班の日程や行動を振り返りながら、韓国での調査結果をまとめる。以下では、韓国実習の開始日である8月25日から終了日である8月30日までの私たちの日程や行動を記載する。
(1)顔合わせおよび調査の打ち合わせ
日本を出発し、夕方に全州市に到着した。その後、韓国人学生と対面し、韓国にきて初めての食事(サムギョプサル)を食べながら交流した。その後、班ごとに集まり、韓国人学生のメンバーと対面。作戦会議とWi-Fiを求めて、カフェへ移動した。飲み物を頼み、まずはそれぞれ自己紹介をした。それから、テーマ設定の経緯や韓国で具体的にどのような調査をしていきたいのかを話し合った。私たちが明日からアンケート調査を行う予定であることを話し、すでに日本で作成してきたアンケートを見せると、韓国人学生からアンケートの内容を改めたほうが良いのではないかと提案された。理由は、アンケート回答者が、私たち見知らぬ人に対して美容整形のことを正直に答えてくれるかわからないから、韓国における整形事情をより具体的に聞いた方が良いからということである。私たち日本人もこの意見に賛同し、整形についてどのような質問を韓国人にしたいのかをそれぞれ考え直し、アイディアを出し合い、質問項目を決めた。
(2)調査期間中の活動

△写真1 カフェで話し合いしている様子
午後からは、カフェで韓国と日本の整形番組を視聴した。『Let美人』という韓国の番組と、『ビューティーコロシアム』、『私の何がいけないの』という日本の番組を視聴した。日韓の整形に関する番組を視聴し終えた後は、それぞれ感想を話した。韓国の番組は、整形することで将来が明るくなる、自信が持てる、友達家族も一緒になって喜んでくれるというような描写が多くあったことから、整形はポジティブな意味合いで放送されていると感じた。
一方、日本の番組は、整形に至るまでの辛い日々の描写が多く、整形に対してネガティブな意味合いが強いように感じた。番組に出演している整形経験者は、整形前、他者から容姿に関してからかわれ極度のコンプレックスを感じていたなど辛い日々を過ごしてきたことが多く描写され、視聴者は整形経験者に対して、かわいそうという感情をもち、整形をしたら他者に辛い日々を過ごしてきたと思われるんじゃないか、整形はよっぽどのことがないとしないものだなどと、整形に対してネガティブなイメージを持ちやすいと感じた。事前調査にあったように、韓国は日本より整形が浸透しているということもあって、ポジティブな意味合いを与えやすい整形番組を放送することも、視聴者が整形を肯定的に考えることとつながってくるのではないかと感じた。私たちは、日韓の整形番組の放送のされ方がここまで異なるのかと驚いた。
翌日以降、カフェにいる若者を対象にアンケート調査を実施しながら、毎日ミーティングを行い調査結果を整理した。また、中間発表会にむけて、各々が自分の発表するパートの原稿を書き上げ発表の練習を行った。その際、韓国学生が調査中の様子なども発表にいれたほうがよいなどと色々なアドバイスをくれた。
中間発表では、調査の進捗状況や残りの日数でどのような調査をし、最終的にどのようにまとめていくかを発表した。また、以前イム先生から整形を受ける立場だけでなく、整形を行う立場である形成外科医にもインタビューをしてみてはとアドバイスをもらったため、アポをとるために何件か電話をしたが拒否されてしまい、韓国の形成外科医にインタビューをすることは難しいことも合わせて報告した。
最終発表会では、韓国での調査に関することはしっかりとまとめて発表できたが、色々と反省点や課題が見つかった。そもそもアンケートではなくインタビューをした方がよかったのでは、という指摘を受けた。
(3)調査結果
第一に、整形を取り上げた日韓番組の視聴についてまとめる。韓国の学生から「韓国は日本より外見を意識することが多い」という話を聞き、その後『Let美人』という韓国の番組と『ビューティーコロシアム』と『私の何がいけないの』という日本の番組を視聴した。韓国の番組では、整形をして綺麗になったことを友達や家族一緒になって喜び、明るい未来が待っているかのように、「整形後」にスポットを当てていた。一方、日本の番組では、整形前、つまり、整形に至った経緯や外見で苦労したことにスポットを当てていた。このため、韓国では整形がポジティブにとらえられていて、日本ではネガティブにとらえられているという印象を受けた。
第二に、韓国の形成外科についてである。韓国の形成外科医にインタビューをしようと考えていたが、電話で取材拒否されてしまい、整形を行う立場である形成外科医から話を聞くことはできなかった。
第三に、韓国でのアンケート調査についてまとめる。私たちが韓国実習の1日目に改良して実施したアンケートの内容をまとめると、以下のようになる。
ア:自分、他人、恋人、家族の4パターンの存在が整形することについてそれぞれ肯定派か否定派かを質問する。
イ:整形したことがあるかどうかを聞く。
ウ:したことがあると答えた人には、
a.どの部分をしたのか
b.費用はどのくらいかかったのか
c.なぜ整形したのか
d.整形してよかったか
それぞれ選択項目を設定して4つ質問する。
エ:したことがないと答えた人には整形をしたいかどうかを聞く。
オ:a.どこをしたいのか
b.費用はいくらくらいを考えているか
c.なぜ整形したいのか
それぞれ選択項目を設定して4つ質問する。
アンケート調査は、アンケート用紙を用いてその場で記入してもらうという方法とネットを利用してアンケートを配布し回答してもらうという方法をとった。ネットによるアンケートでは、韓国人学生の友人をメインに調査を行い、男性45名、女性21名によるアンケートを収集した。アンケート用紙による調査では、男性と女性の人数の差を埋めるためにカフェで女性を中心に調査を行なった。その結果、アンケート用紙では男性9名、女性21名のデータを収集することができた。用紙とネットによるアンケートを合わせると男性54名、女性46名の計100名にアンケートをとることができた。ネットによる調査では韓国人学生の人脈に頼る形になってしまったが、カフェでのアンケート調査では、私たちが実際に韓国人に話しかけて積極的にアンケート調査を行った。韓国人学生が調査の主旨を説明し、私たちは韓国語で挨拶をするスタイルだったが、次第に日本人学生だけで韓国人にアンケート調査の依頼をすることができるようになった。日本人学生がカタコトの韓国語でアンケートをしてくれないかと頼んだら、勉強していたり友達と話したりしていても手を止めてアンケートに協力してくれる人が多かった。
韓国で整形についてのアンケートを実施した結果、女性8人のみではあるが実際に整形したことのある人の意見を得ることが出来た。データの結果、女性と男性で少し異なる点があったためそこも含めて考察していきたい。
以下は、アンケート調査の結果をまとめたグラフである。












以下その結果をまとめたい。質問アについては、自分や他人が整形することに対して、女性の方が肯定的である。その理由として「自信が持てるようになるから」、「自分のことを好きになれるから」というものが多かった。したがって、外見のよさが自分の精神的なモチベーションに繋がるという考えを持つ人が多いことが考えられる。また、先行研究でも述べられているように、韓国の「見た目重視の社会」というものの一部であるようにも思う。
その一方で、女性は恋人の整形に対して肯定度がほかと比べて低いことがわかる。その理由として、「他人のように思えてしまうので反対」、「顔が変わったら困惑するので良くない」などの家族や自分、他人の質問では出てこなかった意見が多くみられた。恋人は顔も中身も含めて最初に出会った時にいいと思って付き合うため、整形されたらショックというものがあり、家族とは違い、恋人は別れることができるので相手が整形してタイプじゃなくなったら一緒にいる意味が無いという考えがあるようにも考えられる。今回、アンケート調査を行った結果、整形をしている男性がいなかったという点と「男性は女性に比べて整形しない」と韓国人学生が話していたことから、男性が整形するのは女性に比べてあまりポピュラーではないようにも感じた。家族に対しては悩んでいるのなら整形した方がいいという意見が多く、相手の立場に立って考えるような意見が目立った。しかし、恋人については主観的意見が多かった。恋人の整形については男性の方が肯定的であったがその根底には女性の方が見た目を気にするからという考えがあるように思う。
つまり、女性は自分が整形して変わることには抵抗はないが自分の周囲の人が整形して変化することに抵抗は感じる傾向にあり、男性は自分が整形して変化することに抵抗を感じるが周囲の人が整形することにはあまり抵抗は感じない傾向にあるように感じた。